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●智恵子抄 ちえこしょう

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 高村光太郎の『道程』に続く第二詩集。1941年(昭和16)8月龍星閣刊。智恵子は明治19年,福島の酒造業長沼家の長女として生まれ,日本女子大学校を卒業した洋画家。初期『青鞜』の表紙絵を描き,当時の新しい女の1人と目された。詩集は愛のはじめ「人に」(明治45)に始まり,結婚生活をへて,昭和6年の分裂症発病,昭和13年の死,没後の「荒涼たる帰宅」(昭和16)に及ぶ29の詩篇と短歌6首,回想3篇からなる。太平洋戦争直前に世に送られたこの詩集は,共に生きた一組の男女のその生の一途さ,誠実さに裏づけられ,比類ない相聞の歌として,戦時中に13刷を重ねた。戦後若干の詩篇を追加した白玉書房版(昭和22),龍星閣復元版(昭和26)があり,別に詩文集『智恵子抄その後』(昭和25)も刊行された。草野心平が編んで智恵子詩篇のすべてを網羅した新潮文庫版(昭和31)もある。映画・演劇・舞踊・歌曲・能など芸術のさまざまな分野で作品化された点でも類をみない。