●ダール=アルヒクマ
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〈叡知の館〉を意味するアラビア語で,とくに1005年,ファーティマ朝の第6代カリフ,ハーキムがカイロに開設した研究所兼図書館をさす。当初はダール=アルイルムとも呼ばれた。哲学,医学,天文学,数学など多岐の分野にわたる膨大な文献が収蔵され,多くの学者が招かれて研究に従事していた。同時にファーティマ朝の国教になっていたシーア派の異端の教派,イスマーイール派の教義の研究と教育が同派の宗教指導者のもとで重点的に行われた。11世紀の内乱に際して略奪を受け,一時的に閉鎖されたが,1123年再建された。しかし,1171年のファーティマ朝の滅亡とともに廃館されるにいたった。ダール=アルヒクマは,ファーティマ朝の学芸振興策にのっとってエジプトに文化の隆盛をもたらし,同朝の国策たるイスマーイール派の布教活動の一翼を担ったといえる。