●タリム盆地 タリムぼんち
アジア 中華人民共和国 AD
中国新疆ウイグル自治区の一部で,東トルキスタンまたはシナ=トルキスタンとも呼ばれる。天山山脈,パミール高原,崑崙山脈に囲まれた長円形の盆地。盆地の大部分は黄土の堆積したタクラマカン砂漠で,周辺に点在するオアシスが,ホータン,クチャなどの都市である。東西交渉史においてはきわめて重要で,前数世紀ころからキャラバンによって盛んに利用された。交易の利権をめぐって,周辺の匈奴・柔然・高車・突厥・ウイグルなどの遊牧騎馬民族と漢民族の争いが長く続いた。9世紀末,ウイグル系の一部が転住したのを機に,しだいに先住のアーリア系住民を圧し,加えて11,12世紀ごろから,イスラームがこの地方に浸透し,在来の仏教やゾロアスター教に代わって住民のイスラーム化が進み,文化的にも新しい展開をとげることとなった。現在のいわゆるトルキスタン,すなわちトルコ人の地という呼称はこうしてしだいにできあがった。