●魂呼び たまよび
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人が死のうとするとき,または死んですぐに,その人の名を呼んで魂を呼びもどそうとする行為。葬送儀礼の一環と考えられる。枕もとで死者の名を呼ぶ。屋根にのぼって遠くへ呼びかける。屋根にのぼってカワラをはいで下に向かって呼ぶ。井戸の底に向かって呼ぶ。海や山に向かって呼ぶ,などがある。呼ぶ人も1人の場合や多勢の場合,また修験者に頼む所もある。これらの行為に枡や鍋をたたく,死者の衣服を振る,笠や箕でまねき返すまねをするなどの行為の付く場合がある。この死の直前,または直後の行為については蘇生説と鎮魂説の二つがある。蘇生説は死んで魂が遊離していくのを呼び戻し,もう一度生き返ってもらおうとするために行われるという説で鎮魂説は死してまだ新しい魂は荒ぶる魂でもあるわけで,その魂に呼びかけたり,はやしたりして,魂を遊ばせた上,鎮める方向にもっていく呪術であると解釈する説である。いずれも死して魂が遊離するという観念にもとづいている。