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●谷時中 たにじちゅう

アジア 日本 AD1598 江戸時代

 1598〜1649(慶長3〜慶安2)江戸時代初期の南学派(朱子学)の儒者。土佐の人,農家の出身で15歳のころ親鸞派の僧侶で慈冲と称した。儒僧天室和尚に朱子学を学び,四書,詩,易,古文唐詩,老荘百家などを読んだ。天室の師南村梅軒の朱子学を継承して『語孟集註』,『学庸章句』,『朱子文集』を読んで,仏道を捨てて,儒学と医学を教授した。戦国末期(1532〜54)に禅僧梅軒によって土佐に伝えられた朱子学は,これから初めて僧侶の手を離れ,儒者の学として独立した。時中は南学派(海南学派)の祖と仰がれ,門人に野中兼山,山崎闇斎,小倉省三らがいる。書物を好み,京都・大坂・長崎より高価な書を求め,ために家産を傾けたという。藩主松平忠義の招きに応ぜず,一生を高知の儒医で終わった。性剛毅で人に屈せず,諂諛を嫌ったという。門人の編さんした『素有文集』と『素有語録』が彼の主著である。ちなみに素有とは,時中(号)の名である。