●七夕 たなばた
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タナバタの語は,古い水辺の祭りにおいて,張り出した棚で訪れる神を待ちもうけたとされる聖なる処女,棚機女の名と関係があるという。このようなわが国の古い信仰と,7月7日の牽牛・織女二星相会の伝承や星に対して裁縫の上達を願う乞巧の行事という中国伝来のものとが習合して,七夕の行事が成立した。伝来の星祭りは古代の貴族社会ではすでに行われていたが,色紙に和歌や願いごとを記して竹に結びつける形式は近世以来のことで,広く普及したのは近代の学校教育によってである。これと並行して現行の各地の行事には,農作物の豊穣を祈ったり,子供が臨時の小屋を設けて籠ったり,水によって心身の穢れを祓除しようとするものが多い。後に控えた盆行事を強く意識したものも多い。元来星の伝承は北部アジアの乾燥文化のもの,水を強調する伝承は東南アジアの湿潤文化の系統を引くものと考えられ,わが国の七夕行事には両系統が錯綜しているとされる。