●田荘 たどころ
アジア 日本 AD
大化の改新以前の豪族の私有農業経営地。田地とその経営に必要な倉庫,建物などを含み,天皇・皇族の所有地たる屯倉(みやけ)に対していうことばである。これは大化の改新によって廃止されたが,それが小規模で別荘を中心とする場合は,別業(べつなりどころ)と呼んでいた。大化以前においては,伴造のような中央豪族,国造や村首のような地方の在地豪族たちが,一般の人々のもつ共有地を割取したり,画定して田荘を設定し,ときには数十百町歩に達する大土地所有者となっていた。その構造や経営は朝廷権力の基盤の屯倉をしのぐものであったため,朝廷側はその廃止につとめた。それによって大豪族連合政権的性格を一掃しようと考えたのである。在地勢力で小土地所有者の場合は家内労働力にもとづく直接経営であったが,田荘の場合は,豪族私有の私奴婢や部曲(かきべ)などの労働力を使ったり,付近の農民の賃租による労働力にたよったものと考えられ,田荘の世襲化を防ぐために,大化の改新によって公地公民制という土地改革を実施した。