●断ちもの たちもの
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ほんらいの意味は宗教的な禁忌祈願(きんききがん)のことである。日本民族には神道以前から清浄を尊ぶ性格がある。いいかえるならケガレを払う願望があり,中国渡来の禁忌思想と結びついて,特定の期間における禁忌の掟が生まれた。下ってあらゆる行事や葬祭における禁忌が発生した。この本来の意味での禁忌祈願は,やがて生活風習における願いごとのためのいわゆる物断ち祈願に転じた。つまり断ちものの意味が神仏に願をかけている期間,ちかってかならずとらない特定の飲食物のことになった。好きな食物や重要な栄養をあえてとらないという約束を実行することが,ひきかえに神仏に願望を叶えてもらうのである。「茶断ち」,「塩断ち」,「酒断ち」,「穀断ち」などが有名。なま物しか食べない「火物(ひもの)断ち」もある。個人だけでなく,長野県北安曇郡などの「夏物断ち」や「青物断ち」のように,一つの村をあげて行う場合もある。