50音順    検 索

●足高 たしだか

アジア 日本 AD 

 江戸時代,幕府の俸禄制度で一種の役料。江戸幕府は早く1665年(寛文5),大番頭以下の番方に,翌1666年に留守居以下の役方に役料が下付されたが,1682年(天和2),この役料を家禄に加増して廃止した。1692年(元禄2),役料を復活したが,この際に各役職とも一定の家禄以下の者のみに,一定額を支給した。1823年(享保8)6月に,徳川吉宗室鳩巣,大島伴六らの意見によって足高の制を令したとき,元禄の制を改めて,家禄が一定以下の幕臣に対して,在役中はその額までの差額分を加給することにした。これによって従来の幕府経費を節減するとともに,少禄のために役職就任が困難だった小身の幕臣の抜擢が可能になった。この制度はその後1824年,1831年に改正追加され,1838年(元文3)には主な幕府役職のすべてに実施された。その結果,たとえば家禄1,000石の旗本も,3,000石相当の町奉行への就任が実現でき,その在役中は2,000石の不足高を加給された。これが足高である。これによって,幕府の人材登用=要職昇進の途が開ける一方,財政上の空費も避けられ,また下級幕臣も職務に勉励することができたので,以後幕府倒壊直前までこの制度は続いた。