●大食 タージ
AD
唐宋時代の中国人がアラブ人を呼んだ名称。広義には,ムスリムを意味する。正史の『旧唐書』『新唐書』『宋史』に大食伝がある。それらによれば,大食の使節が中国に最初にきたのは,唐の651年(永徽2)である。正史以外にも,周去非の『嶺外代答』などに大食に関する記述がある。また,『唐会要』巻100では,ウマイヤ朝を白衣大食,アッバース朝を黒衣大食と記している。大食の語源は,ペルシア語でアラブ人を呼んだタージーク・タージーの音を漢字と漢音で表記したものといわれている。アラブ人のイラン征服後,イラン系ムスリムもタージーク=タージーと呼ばれ,トルコ人はイラン人をダージーク=タージーと呼んでいた。このように同じ語で呼ばれても,その内容は一定しておらず,中国へ渡来したイラン系ムスリムも大食と呼ばれている。彼らは中国人社会とは別の居住区(蕃坊)に住んだ。