●竹取物語 たけとりものがたり
アジア 日本 AD
作者不詳。9世紀末から10世紀初めの成立。別称『竹取の翁』『かぐや姫の物語』。『源氏物語』「絵合」に〈物語の出できはじめの祖(おや)なる竹取の翁〉と書かれていて,物語のできはじめのころの主要な作品,初期物語の代表作品という評価である。その内容は[1]かぐや姫の生いたち,[2]5人の貴公子の恋争い,[3]かぐや姫の昇天,の三つの部分からなる。従来は,[2]の部分の5人が,天武朝の功臣にそのモデルを求めているため,それらへの風刺が,この作者の執筆意図と考えられてきた。ところが,チベットのカム地方の説話が,竹のなかから女子が生まれ,その娘に5人の少年が求婚し,難題が課せられ,それぞれ失敗に終わるなど,細部においても,非常に近似した内容をもつことが,報告された。この点から,この作品の研究が,新しい段階に入ったことが,指摘できる。またその文体には,漢文訓読文特有の口調もみられる。