50音順    検 索

●託宣 たくせん

AD 

 神霊が司祭者などに憑依(ひょうえ)して人の口を通じて神意を告げ知らせること。また神託とも予託ともいう。古代の祭祀は簡単にいえば稲作を中心にする農耕儀礼である。農業は一定の定住・定着した場所,ムラ(群れの変化)で行われる。また稲作農業は季節によって左右される。種は一定の時期に播かなければ芽を出さず,収穫にも適切な時期が必要である。1年が順調に巡ることを求めるため,定例として正月にその年の農作の神託を受け,秋季には収穫と繁栄とを感謝し,来年の豊凶と世運の予託を乞う。また戦闘の折にも神託を受ける。天武天皇が壬申の乱の折,高市懸主許梅に神懸り(かみがかり)して戦闘が有利に展開する託宣があった。そのほかにも崇神紀によれば,天皇の御代,疫病流行し社会不安となった折に,天皇自ら神浅茅(あさじ)原に臨み,神祭し神託を受け,神意に添って祭祀したので,疫病は静息し,国内が静まったという。今日でも沖縄では巫女(祝女)の託宣によって部落の祭祀が展開されている。