●田植 たうえ
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苗代で育てた稲苗を本田に植える作業。北陸から東北地方にかけてはサツキ,関東地方ではウエタ,近畿地方ではシツケとも呼ばれる。現在は奄美・沖縄地方を除けば5月上旬から6月中旬のあいだに行われているが,稲の品種改良や水田改良等が進むまでは約1カ月ほど遅く,旧暦5月に行われた(奄美では旧暦2〜3月,沖縄では旧暦12月)。5月のことを皐月ともいうのはこのためである。田植の方法は明治時代末以降,正条植が普及するが,それまではカニ植え・一文字植え・車田植など各地にさまざまな方法があった。田植の民俗的特色は,この作業は単なる労働でなく,田の神祭りとしての色彩が強いことである。田植えをする女性は早乙女と呼ばれ,着飾って行い,実作業上のさまざまな禁忌が伝えられ,さらに田植開始時と終了時には初田植(サオリ)・サノボリの儀礼がある。中国地方などには花田植・大田植といった民俗芸能化した田植も伝えられている。また,田植は短期間に集中して行われ,近年まで手植えであったので,ユイ・モヤイとか,本家・親方百姓の田植への分家・子方百姓の参加といった古くからの労働組織の形態をよく伝えていたのも特色である。
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