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●台湾の法的地位 たいわんのほうてきちい

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 台湾は台湾本島とその付属島嶼ならびに澎湖諸島計87の島嶼から成る。澎湖諸島は一時元朝・明朝によって領有されたことがあるが,台湾本島を最初に領有したのはオランダであり,スペイン・鄭氏王朝・清朝・日本につづいて中華民国がこれを領有し,現在にいたっている。中華民国の台湾占領はポツダム宣言によるものだが,同国は歴史的に台湾は〈中国の固有領土〉だとし,同国と対立している中華人民共和国もほぼ同様の主張をしている。これに対して,台湾全人口の85%を占める台湾人は,領土の帰属は住民の意思に従うべきであり,台湾は台湾人のものであって,大国間の取り引きの具にされるべきでなく,少なくとも,台湾の帰属は未定,すなわち台湾の法的地位は未定であると主張する。その根拠は下記のとおりである。

【法的地位未定の根拠】[1]台湾は中国の固有領土ではない。[2]中華民国が樹立された1912年当時,台湾はすでに日本の領土であったし,中華人民共和国が樹立されて以降,台湾は一貫してその支配圏外にあった。[3]カイロ声明は台湾の中華民国返還を謳っているが,これは同声明にいう〈同盟国は,自国のためには利得を求めず,また領土拡張の念を有しない〉との趣旨と矛盾している。[4]カイロ声明とこれを吸収したポツダム宣言とは戦時宣言であって,条約ではない。[5]台湾を占領した蒋介石軍は日本本土を占領した連合国軍と同性格の占領軍にすぎない。[6]サンフランシスコ平和条約・日華平和条約のいずれも台湾の中国帰属を規定していない。[7]1960年以降,自決権は国際法として確立されている。[8]未批准とはいえ,中華民国も国際人権規約に調印しており,そのA・B規約とも,第1条において〈すべての人民は,自決の権利を有する〉と規定している。以上により,台湾の将来は台湾住民の意思によって決定されるべきである。

〔参考文献〕彭明敏・黄昭堂『台湾の法的地位』1976,東京大学出版会