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●ダイラム

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 カスピ海南西岸の山岳地帯の古地名。東方はタバリスタン,西方はギラン地方に挟まれた地方。住民は険峻な山岳地帯に住み,わずかな農耕と牧畜にいそしみ,古くから剽悍な民として知られた。ササン朝時代から精強な傭兵として有名であった。そのためアラブの初期征服時代にもイスラーム化しなかった。9世紀後半から,カスピ海南岸に勃興したザイド朝(一名アリー朝844〜928)の布教により,シーア派のイスラームに改宗し,イスラーム諸王朝,ガズナ朝ファーティマ朝の傭兵として活躍した。その後はしだいに民族として実力をつけ,タバリスタン・ゴルガン地方を支配したジャール朝(927〜1090),イラン・イラクを支配したブワイフ朝(932〜1062),中央イランを支配したカークワイフ朝(1008〜51)などは,いずれもダイラム人の建てた王国であった。11世紀末,ダイラム地方の中心アラムートニザール派暗殺教団に支配されたが,ダイラム人はその刺客として活躍した。