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●太陽のない街 たいようのないまち

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 徳永直の書いたプロレタリア長編小説名。1929年(昭和4)発表。3,000人近い従業員をもつ小石川の千川筋にあった共同印刷が労働組合(日本労働組合評議会系)の無力化をはかるため,1926年(大正15)1月8日一部操業短縮と,38人の労働者の馘首をしたことによって始まった共同印刷の大争議を題材とする。大正末期の代表的争議となったが巧妙な弾圧と,指導層の未熟さのため,結果は争議団へ32万円支給,1,200人解雇,200人再雇用という形で労働者側の敗北におわった。その過程を,そこで働く労働者であった徳永直が革命的労働者の立場から社会的視野と展望をもちつつ,描写したのが本書である。荒削りで粗野だが労働者群像を活写した,労働者文学である。その舞台となった,千川筋の氷川下にある労働者居住地区は,貧しいトンネル長屋がつづく,共同便所・共同水道のある町であった。住民の多くは共同印刷の印刷工として,終日労働に近い形で働かされていた。彼らの生活は困窮をきわめ,質屋通いの毎日であったという。本書は劇化もされ,優れた日本のプロレタリア文学の作品として外国でも翻訳された。