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●太平記 たいへいき

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 軍記物語。40巻。原作者,成立年代については未詳。今川了俊(1326〜?)著『難太平記』と,30余巻の『太平記』を,足利直義(1308〜52)が玄慧法印(?〜1350)に読ませ,誤りが多いので,書き入れ・切り出しを命じたとある。また,『洞院公定日記』の1374年(応安7)5月3日の条に,〈去んぬる廿八九日の間,小嶋法師,円寂すと云々。是,近日天下に翫ぶ太平記の作者なり〉とある。原作が改作され,現存の本文となった。下限は梵舜本の奥書の1488年(長享2)以外確証がない。1318年(文保2)の後醍醐天皇の即位から建武中興,南・北両朝の抗争と後醍醐天皇の崩御,足利幕府治世下の動乱から細川頼之が義満の執事となるまでと物語は3部に分かれる。これが物語の成長の軌跡である。乱世を素材に太平を主題とする。江戸時代初期ごろから,書物として読まれるだけではなく,太平記読みとして講釈を通して享受された。

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