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●太平寰宇記 たいへいかんうき

アジア 中華人民共和国 AD 

 中国宋代の地誌。中国で早くから政治の資料とするために全国あるいは地方の実情を記録・編集することが行われた。宋代になって中央集権体制がととのい官僚政治が行われるようになると,そうした要求がいっそう強くなり,地誌類が盛んに編さんされるようになった。本書はその最初のものであり,979年(太平興国4)に統一のなった宋の領域や周辺の地理・沿革を説明するものとして編さんされ,同時に後世の地誌にも大きな影響を与えた。内容は府・州ごとに沿革・県数・境戸数・各地の産物などについて,各県ごとに山川・湖沼・橋梁・寺観などについてのべている。こうした記述は,唐末五代の地方割拠の中で生じた地名の変化や,各地方における産業の生成・発展を伝え,従来の記録の遺漏をもうめるものとして貴重である。このほか,人物伝を加えたり,六朝時代の記録など前代の書籍を利用しており,地誌として優れた特色をもっている。

〔参考文献〕『四庫全書総目提要』68