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●大仏造立の詔 だいぶつぞうりょうのみことのり

アジア 日本 AD743 奈良時代

 743年(天平15)10月15日近江の紫香楽宮で,聖武天皇が金銅の廬舎那仏像をつくることを発願したことば。詔では仏教による鎮護国家を願って華厳経の本尊廬舎那仏を造り,これを成就することで,造立に協力した人々と同じく利益にあずかり,ともに悟りの境地に到達したいとのベ,〈天下の富をたもつ者は朕なり,天下の勢をたもつ者も朕なり。この富勢をもってこの尊像を造る。事やなり易き,心や至り難き〉と造立の意図が理解され難いであろうことを懸念し,そして〈人の一枝の草,一把の土を持て像を助け造らんと情願する者あらばねんごろにこれを聴せ〉と,人々が仏に結縁するため造立に参加することを望んでいる。発願の動機は,740年(天平12)河内の智識寺へ行幸,廬舎那仏を拝したことにあったが,当時の唐における華厳経信仰と,則天武后の大仏造営事業の影響も大きかった。

〔参考文献〕平岡定海『東大寺』教育社歴史新書,1977,教育社