●大日本沿海輿地図 だいにほんえんかいよちず
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伊能忠敬によって日本全土の海岸線を示した最初の実測彩色地図。1800年(寛政12)より実測を始めたが,天文方の高橋景保が幕府に献納したのは,忠敬没後の1821年(文政4)であった。大図(1:36,000 214枚)・中図(1:21万6,000 8枚)・小図(1:43万2,000 3枚)の3種からなり,これに実測の報告書ともいうべき『輿地実測録』14巻が添えられていた。大図は国郡・御料・私領・寺社・村名なども記されており,中図と小図には朱で多数の方位線が示され,諸地点間の方位と距離が正しく測定されている。しかし,1873年(明治6)皇居の火災で献上本が焼失,さらに関東大震災で,伊能家より東京帝国大学附属図書館に移管されていた副本も焼失した。シーボルト事件の契機となり,また明治期の実測図の基本となったが,現在では献納以前の原図など数点が千葉県佐原市の伊能忠敬記念館や内閣文庫などに残されている。