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●大同思想 だいどうしそう

アジア 中華人民共和国 AD 

 中国の五経の一つである『礼記』礼運篇にみえる大同を理想の社会であるとする伝統思想。中国の古代にあっては,すべての生活の規範は礼であった。礼義によって民を導かなければ,民は自己本位の考え方に傾いてしまう。それゆえに周公は,礼をもって政治を行った。礼義によって規制しなければならない世界を小康という。小康は周公によって実現されたと考えられているが,この段階は最高の理想の世ではない。最高の理想の世は,礼義によって規制しなくても,誰も争うものがなく,みなが相互に親睦しあいすべてが平和な世を大同という。大同は古代伝説の聖王尭・舜によって実現されたと考えられている。この大同を理想とする伝統思想は,清末の康有為により,政治・社会を改革するための理想社会として強調された。その著『大同書』は,大同思想と公羊学派の太平の説を合わせて,国家・階級・人種・男女・家族などの差別を除いた理想世界を述べている。