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●第三身分 だいさんみぶん

ヨーロッパ フランス共和国 AD 

 フランス旧制度下の三身分のなかの平民のこと。働く身分として僧族・貴族の下位にある。非特権身分として租税の重要部分を担わされた。フランス革命前夜には全人口の98%を占め,大づかみに,ブルジョワジー・農民・都市民衆からなり,経済的にも社会的にも単一の階級をなしてはいない。ブルジョワジーは元来,特権都市の市民資格者を意味したが,18世紀には農業以外の職業で財産を築いた者をさす。官職(職業),教養・知識,財産の3要素を総合して上・中・下層に分けられる。上層ブルジョワジーには財務官・総収税官などの財務官職者や総徴税請負人が含まれ,貴族身分への上昇志向が強く,宮廷貴族とのつながりもみられた。銀行家も,財力の点ではこの層に入る。司法・行政の官職たる高等法院の検事・弁護士,上座裁判所やバイヤージュ裁判所の評定官,シュブデレゲ・工業検査官・王領地監督官・都市参事会員などは中層ブルジョワジーだがその上位を占める。学者・弁護士・代訴人・医師などの自由業者がこれにつづき一部に居住場所から農村ブルジョワとも呼ばれる。貿易商人・船主・商人・製造業者・建築請負業者などの実業家もこの層に入る。下層ブルジョワジーは小ブルジョワというほうがよく,家内労働の手工業者・商店主がいて,職人・徒弟・店員・季節労働者などの民衆層と生活空間は一体となっている。民衆層は第四身分として区別することもあった。一方,農民は全人口の少なくとも75%を占め,経営規模から富農・中農・小農・貧農・農業プロレタリアと分けられるが,全耕地の35%を実質的に所有していたものの,大多数は土地不足農民であった。フランス革命は,国民議会の宣言にみられるように第三身分の勝利といってよく,同時にそれは身分制と,彼らを編成していた社団の枠の撤廃を意味した。シエイエスの全国三部会選挙直前の著作『第三身分とは何か』は生産・流通や行政・司法・教育・軍務の諸分野で,実質的な仕事をひきうけている第三身分こそ国民のすべてと呼び,特権身分の廃除を求めた革命的啓蒙書。