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●第三共和国憲法 だいさんきょうわこくけんぽう

ヨーロッパ フランス共和国 AD 

 1870〜1940年のフランス第三共和政を律する憲法。とはいえ単一の憲法典ではなく,1870年代前半の政治勢力の複雑な配置を反映して,紆余曲折の末,1875年2〜7月に成立した三つの憲法的法律からなる。憲法上では,男子直接普通選挙による代議院および間接選挙による元老院の両院合同の国民議会によって選出される任期7年の大統領に対して,元老院の同意を得たうえでの代議院解散権が与えられるなど,立法権に対する執行権の相対的優位性が認められていた。しかし1877年のマクマオン大統領によるいわゆる「5月16日事件」以後,この解散権は行使されない慣行が成立した。以後,執行権は議会に対して責任を負い,議会に従属する閣議・首相に移行した。安定的多数党の欠如から,内閣は不安定・短命さを免れなかった(70年間に110の内閣)が,憲法規定の簡潔さは運用の柔軟さをもたらしたために大革命以後最長命の政体たりえた,ということができる。しかし1940年7月,ヴィシー政権のペタン元帥によってこの憲法は廃止され,フランス国が出現した。