●第五共和国憲法 だいごきょうわこくけんぽう
ヨーロッパ フランス共和国 AD
1958年10月5日に公布された憲法。アルジェリア問題をめぐる第四共和政の行き詰まりを打開すべく首相となったド=ゴールが腹心のドブレらに起草させ,憲法諮問委員会の議をへて国民投票に付され,圧倒的支持(投票率85%,うち賛成79%)を得て承認された。従来から,議会優位とそれに由来する政府の不安定・無力状況の改善を,すなわち“強力な政府”の実現をめざす「ド=ゴール憲法」の基本的特色は,大統領権限の強化である。首相任免権を有し,また緊急措置権を行使しうる任期7年の大統領は,1962年11月6日の憲法改正によって,国民の直接選挙により選ばれることになった。閣僚は国会議員籍と両立しないこととなり,議院内閣制が弱められている。議会は,直接選挙による任期5年の国民議会と間接選挙による上院からなるが,立法対象たる法律事項は大幅に制限されている。政府が命令事項について立法権を独占するからである。こうした制度的枠組の抱える問題点は,ともに直接選挙による大統領と国民議会の対立が生じた場合の政治的運営であろう。