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●退行 たいこう

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 ある時点で,それまで発達してきた精神状態や機能・体制が,より低次で未発達な段階に逆戻りすること。心理学的な,いわゆる赤ちゃんがえりのような後戻り的現象や,精神病理学的現象を説明する理論的概念である。ジャクソンによって精神病理学に,中枢神経系の機能の進化−解体(退行)として導入され,精神分析学では,フロイトが睡眠状態における退行や病的退行として概念を発展させた。つまり,フロイトによれば,リビドーはその発達途上で固着点を残し,一定の発達を遂げたリビドーは,欲求挫折を契機として固着点に退行すると考えられる。これが“病的退行”で,持続的で固定的な自我機能の全般的低下が生じている。反対に,遊びや創造的活動において生じる一時的・可逆的な“健康な退行”も存在する。また,精神分析的な治療法の過程で操作的に生じてくる“治療的退行”もある。