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●太極図説 だいきょくずせつ

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 北宋の周敦頤(濂渓,1017〜73)の著した文章。「太極図」という宇宙の構造を象徴的に描いた図があり,それを解説したわずか249字の短篇である。「太極図」が五代・宋初の道士,陳搏に由来するという話があることから,道教との関連も問題にされている。しかしこの『太極図説』は南宋の朱熹によって顕彰され,以後,道学の重要文献となった。周敦頤は二程兄弟(テイコウ※注1※・程頤)の少年時代の師であったが,二程およびその門人たちはほとんど『太極図説』には言及していない。朱熹は自己の思想的要請から,この『太極図説』の称揚を行った。道学内文献で,宇宙と人性の構造的連関をかくもコンパクトに述べたものを,ほかに見出しがたかったからである。この文章は有名な〈無極にして太極〉から始まる。朱熹はこの語を“理”のことと解し,つづいて説かれる陰陽・五行の“気”と対置させた。しかしこの解釈に対し,彼の論敵陸九淵は激しく攻撃し,いわゆる朱陸論争の中心主題の一つとなった。周敦頤のもう一つの主著『通書』からみてもこの語は気のこととしか解せず,朱熹の理解は妥当とはいえない。つまり『太極図説』は朱熹の文脈に入ってはじめて道学の聖典になった。以後朱子学派の重要な典籍となった。

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