50音順    検 索

●村内婚 そんないこん

アジア 日本 AD 

 「むら」の内部における通婚のことを言うが,この場合の「むら」の範囲は必ずしも厳密に規定されているわけではなく,多くは婚姻に関与する「若者組」や「ゆい」などの共同労働組織の形式範囲のことをさしている。というのも,とくに「寝宿」慣行をもっていた地方に顕著に見られたように,「若者組」の活動を通して配偶者の選択が行われていた場合や,「結納」の原義とされる「ゆいのもの」の共同飲食が「ゆい」の仲間で行われるような場合には,この組織の範囲=「むら」の内部における通婚がむしろ一つの規範とすらなっていたからである。前者の事例は漁村に多く見られたが,これらの基盤のうえでは,一定の「妻問い」期間を伴う「聟入り婚」などの婚姻方式が比較的遅くまで存続し,また早くに嫁入り婚方式となった農山村においては,房総の「つっだし」などに見られるような,「若者」たちの半ば儀礼化した婚礼ヘの妨害をも生じさせることとなった。