●ゾレン
AD
哲学で当為と訳される。存在し「あること」および自然必然情として「あらざるをえないこと」に対し,「あるべきこと」「なすべきこと」をいう。カントはこれを,目的の手段としての条件づきのゾレンと,目的そのものとしての無条件のゾレンの二種に分けた。後者は正に為すべきこととしてその実現が要求される無条件の命令であるから,道徳法や義務の要求と一致し,存在および必然を本質とする自然界の法則とは対立する。このように倫理的性格をもつゾレンを新カント学派は,真・善・美を含む超越的な「価値」の領域にまで広げた。後期新カント学派の西南ドイツ学派では「価値」存在に対するゾレンを純粋に取り出すことを学的哲学固有の課題とみなし展開させた。リッケルトはその著『認織の対象』(1892)において,判断は「価値」の承認あるいは「非価値」の拒否であり,判断が則るべき対象がゾレンであるとした。