50音順    検 索

●ソフィスト

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 原語はソフィ(ピ)ステス。もと「一芸一能の達者」あるいは「賢老」を意味した。「知者」とか「教師」の意に用いられるようになるのは前5世紀後半のことである。いわゆる「ソフィスト」として悪名と化したのは,それから後のことである。初期のソフィストとして知られているのは,プロタゴラスゴルギアスヒッピアスなど。彼らは学派をなさず各個に各地を遍歴・滞在して教え,高額の謝礼をとった。彼らが教えると称した内容は異なるが,市民として優れた者となる(市民的徳性を養う)ための知識を授けると称した点は共通する。主として弁論術を講じた。ソフィストは徳の教師であり弁論術の教師であった。彼らの周囲に集まった子弟は,専門家となるためではなく教養として学び,有力な市民たらんと志した。ソフィストという職業的教師の出現は時代の要求に応えたものだった。しかし,ポリスにおける市民的教養は,もともと自らの属する市民社会に参加することによりおのずと学ぶものと考えられていたから,こういう新教育に疑念をもつ人たちもいた。ソフィストの影響を受け,既成の法律や習俗に対する破壊的言説をなす者が現れたことも,彼らの教育に対する不信を高めた。さらに,法廷などにおける問答がそれを必要としたことから,相手を反論・打倒することだけをめざす問答競技が盛んに行われるようになる。こういう風潮をもたらしたのが,初期のソフィストに続く世代のソフィストである。ソフィストは詭弁をあやつる者と見られるようになり,前4世紀にはまったく悪名と化すにいたった。