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●曽根崎心中 そねざきしんじゅう

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 世話浄瑠璃近松門左衛門作。1703年(元禄16)大坂竹本座で初演。同年4月7日,大坂内本町の醤油屋平野屋の手代徳兵衛と北新地の遊女お初とが,曽根崎天神の森の中で心中した事件を素材とした作品。お初が客に連れられて大坂三十三番の観音めぐりをして生玉神社の茶屋で休んでいるところに,得意先廻りをしていた徳兵衛が来て出会う。しばらく姿を見せぬ徳兵衛にお初が恨み言をいうと,徳兵衛は,主人の姪を押しつけられ,それを逃れるための金を工面していて会えなかったのだが,今その金は主人に渡す期限まで九兵次に頼まれ貸してあるという。そこに九兵次が来あわせたので金を催促するが,九兵次の悪だくみによって返してもらえず,徳兵衛は大勢の人の前でひどい目にあってしまう。それに同情したお初と,もはやどうにもならなくなった徳兵衛とは天神の森で心中する。市井の名もなき男女の愛とそれゆえの苦悩を描き上げ,それまでの浄瑠璃が取り上げることのなかった世界を見事に劇化した作品である。近松世話浄瑠璃の第一作であると同時に,当時不振であった竹本座の危機を打開する当たり作となり,後世へも多くの影響を与えた。