●蕎麦 そば
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蕎麦はタデ科の一年草で,原産地はアジア大陸の北部だとされる。『本草和名』に「曽波牟岐」,『和名類聚抄』にも「曽渡牟岐」とあり,古くは麦の一種として意識されていたことがわかる。山梨県南巨摩郡早川町雨畑では,春まき蕎麦を「夏蕎麦」と称して定畑に作り,夏まきを「秋蕎麦」と称して焼畑に作った。夏蕎麦は稜が鋭く大粒,秋蕎麦のほうが小粒である。精白減少率は,秋蕎麦のほうが少ない。秋田県北秋田郡森吉町では「二度蕎麦」と称して,春・秋同じ種をまいた。〈蕎麦は75日〉といわれるように,播種から収穫までの期間が極端に短いうえ,秋蕎麦は雑草に悩まされることがないので農民,とくに焼畑農民のあいだで盛んに栽培された。蕎麦を,初年度に栽培する型の焼畑を「ソバヤブ」・「ソバガノ」・「ソバナギ」などと呼んだ。食法は,蕎麦ガキ・蕎麦キリ・蕎麦団子などが代表的である。ほかに野菜と混ぜたり,シコクビエの粉と混ぜる方法,さらには四国祖谷山地方のソバゴメガユもある。