●ソシュール
ヨーロッパ スイス連邦 AD1857
1857〜1913 ジュネーヴの旧家に生まれた。彼は言語学におけるいわゆる社会学派の始祖であるだけでなく,現代言語学の一大潮流である構造言語学の形成にとって礎石的役割をも果たしている。処女作『印欧諸語における母音の原始組織に関する覚書』(1879)は,祖語にも一定の音が存在し,その“痕跡”が印欧諸語に残存していること,これらの音が喉頭音であることを仮定した(喉頭音仮説)が,これはヒッタイト語の解読によって証明されたのだった。生前には彼の著書はほとんど発表されず,死後に弟子たちにより『一般言語学講義』が公刊されて,一躍脚光を浴びるにいたるのである。[1]各要素が弁証法的に規定された,統一的な記号体系としての言語観,[2]言語(ラング)と言(パロル)の区別,[3]通時(歴史)面と共時面へ言語研究を二分したこと,が主な功績である。〔参考文献〕N. A. スリュサレヴァ『現代言語学とソシュール理論』1979,而立書房