●相互扶助 そうごふじょ
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自然淘汰により環境に適合した生物が生存を続けるとのダーウィンの進化論を敷延した社会淘汰を肯定する社会進化論が優越者の存在と生存競争による弱肉強食を主張。それに対しクロポトキンは,人々が生活上で協同し,あらゆる日常の諸困難を解決する自発的連帯である社会関係が社会進化の作用をもたらす基因であるとして,生物界にみられる相互の助け合いや協同作業をあげ,人間についても,歴史を遡及して古代から現代にいたるまで具体例を示している。日本の農村社会学の研究をみると,ムラの生活で多くの協同があげられる。農作業における“ゆい”,婚礼や葬式でのお手伝い,病人の世話,村の川の清掃や道路の補修を行う“出払い”,親しい人々のあいだでの日常の気軽な貸借がある(晴着や外出着,不意の客の茶菓,米,味噌,醤油など)。また,もらい湯や買物を頼むこと,そして,金銭を融通し合う“無尽講”や屋根の葺き替えなどの労力を提供する“講”と助け合いは生活を豊かにする。〔参考文献〕クロポトキン『相互扶助論−進化の要因』1902