●千歯扱 せんばこき
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千把扱ともいう。千把とは稲扱にて稲穂の実を引きかけてこきとる道具をさす。むかしは稲串千把とて,櫛のごとく竹で歯をつくったが,豊臣秀吉のころより鉄の歯でつくった。俗にせんばこき,かなこぎ,やもめたおし,ごけたおしともいっている。むかしは「こき箸」とて篠竹の嘴のごとくつくって掌におさめて稲をこいでいる。江戸時代,元禄期に広く農村に普及するにいたった脱穀農具である。横木に割竹や細長い鉄棒をとりつけ,稲束をかけて籾をこきおとしている。それ以前に使用していた扱箸よりも数倍能率が上がり,脱穀過程の労働力をかなり削減することができ,後家の手伝う面をなくしたので「後家倒」と呼ばれている。竹歯の千歯扱は元禄以前より麦の脱穀に使われていた。この千歯扱も1911年(明治44),福永式足踏脱穀機の発明まで使用されていたから,かなり長いあいだ生命力をもっていた。
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