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●善の研究 ぜんのけんきゅう

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 西田幾多郎の最初の著作。1911年(明治44)1月,弘道館より刊行。第1編純粋経験・第2編実在・第3編善・第4編宗教の4編からなる。最初に第2・3編が第4高等学校の講義録として成立し,つづいて,第1・4編の順で雑誌に発表されたのをまとめたもの。「序」において,〈個人あって経験あるにあらず,経験あって個人あるのである,個人的区別より経験が根本的であるという考えから独裁論を脱することができ〉た,と述べているように,西田は,〈純粋経験〉という概念を手がかりにして,主観と客観を統一する立場を確立した。その後の西田哲学の出発点として重要な位置にある。高橋里美は,この書を〈明治以後邦人のものした最初のまた唯一の哲学書〉と高く評価し,倉田百三は『愛と認識との出発』に,この書を読んだときの感動を記している。西洋の哲学を受容しながら,日本独自の哲学を構築するという課題に対して,真正面から取り組んだ著作である。