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●船頭 せんどう

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 一般に船に乗って,これを操る職業人をさすことばで,海上を行く大型船から村の渡し舟の船頭までいろいろである。しかし厳密にいうと,船頭とは船の進退,乗員の指揮,そのほか船のなかのすべてを司どったフナオサ(船長)のことであり,ほかの乗員は船頭の補助役で水夫とか舟子と呼ぶ。川船の船頭のかつての生活の一端を,渡良瀬川筋の河岸であった栃木県下都賀郡藤岡町高取の例で示すと,ここでは船頭は,一般の農家や労働者に比べて収入も多く裕福であったという。気質は気が荒いわりに人情深く喧嘩早いが,義理堅いうえに金銭には淡白だったので河岸は賑わったといわれている。彼らにとって船は仕事場であると同時に生活の場でもあった。彼らは船をこよなく愛したので,栃木県南地方の河川を就航した高瀬舟には,船頭の名をとった作次舟,半兵衛舟などと呼ばれるものもあった。仕事の関係からか信仰心も厚く,とくに水難守護神を深く信仰した。この種の信仰では金毘羅信仰や大杉信仰が知られている。