●選定相続 せんていそうぞく
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何人かの相続候補者のなかから1人の相続人を選定する相続方式。選択相続,優子相続,最適者相続ともいう。長子相続,末子相続はあらかじめ相続人が長子・末子と指定されているのに対し,選定相続ではそれが誰か分かっていない点に特色がある。通例,被相続人たる親が,何人かの子のなかから最もふさわしい者を選んで相続させる風である。岡山県和気郡日生(ひなせ)町頭島(かしらじま)にこの方式の慣行が伝えられていた。頭島では何人男子があろうと,結婚すればみな分家やヘヤ別居に出し,独立の生活をさせる。そして親が55〜60歳になり,“世を譲る”ときに一番気に入りの息子夫婦を呼び戻し,親の家を継がせるのである。このような典型的な慣行は現在ほかには知られていないが,末子相続や非長子相続の慣行のなかに事例的に現れることもある。歴史的には,古代氏姓社会は選定相続であったとか,鎌倉武家社会でも元来“器量の仁”を選ぶ家督相続であったとか,選定相続の研究は少なくない。