50音順    検 索

●千字文 せんじもん

アジア 中華人民共和国 AD 

 中国で文字の学習,書の学習のためにつくられた教科書。南朝梁の周興嗣が武帝の命を受けて王羲之の書蹟のなかから1,000字の異なった文字を集め,4字の韻文としてまとめたものという。これに対して魏の鐘ヨウ※注1※の書,または鐘ヨウ※注1※の撰文・王羲之の書という説も伝えられていたが,いずれも誤りとされている。千文字は南朝の美文愛好の風潮のなかで生まれた識字の教科書であったが,同時に習字用の意味ももっていたので,書法を学ぶ人のあいだでも愛用され,唐代に入って加速度的に普及し,宋代にいたってさらにひろまっていった。日本への伝来は応仁天皇の16年(『古事記』による)ということであるが,そののちわが国でも各種の応用版が無数に出現し,千字文の学習は広く流行した。また,朝鮮でも千字文の学習は日本への伝来以前に流布しており,百済の和邇(王仁)が来朝したときに献上したのがわが国への伝来の初めとされている。

00