●世話物 せわもの
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世話狂言。浄瑠璃・歌舞伎で時代物に対していう。江戸期で町人社会のできごと,くわしくは恋愛・義理の葛藤などを主題とする。“世間”の語は世間話ほどの意味で,町人・百姓を主役とした。1703年(元禄16)の近松門左衛門作『曽根崎心中』以来一般化し,中世能の語を用いて時代物を一番目物,世話物を二番目物と称した。1792年(寛政4)の増山金八作『大船盛蝦顔見勢(おおふなもりえびのかおみせ)』の3日月お仙から,生世話(きぜわ)狂言が盛んになり,1825年(文政8)の4世鶴屋南北作『東海道四谷怪談』は有名である。風俗や台詞を重視して,写実に近づけた。濡れ場・殺し場・責め場・ゆすり場などを設け,迫真力を望むあまり,怪談物・白浪物・毒婦物の流行をまねき,悪の華といった耽美主義が様式化していった。並木五瓶・河竹黙阿弥も世話物作者として活躍した。〔参考文献〕飯塚友一郎『歌舞伎細見』1925,第一書房