●暹 せん
アジア タイ王国 AD
タイ族最初の王国スコータイの中国側呼称で Siamの音訳。暹と元朝との13〜14世紀の朝貢貿易が『元史』にみえる。11世紀のチャンパ碑文はタイ族捕虜を「シャーム」と呼び,ヴェトナム人は Hsiem,客家華僑は Siam と呼ぶ。暹の北京音 Hsien の語尾のnが現地住民の語尾mを変えたものらしい。同じタイ民族のビルマのシャンの語尾はn。14世紀のアユタヤ朝を中国人は暹羅と記したので,戦前の日本では暹羅と書いて,シャムと発音した。西欧人はマライ住民がタイを Siam と呼んでいたので,英語でもサイアム Siam と表現した。タイ人自身はタイ王国と称していたので,1939年に戦時国民精神作興運動のもとで,国名をタイ王国(英語名 Thailand=自由の国民という意味)に改め,現在にいたっている。