●説話文学 せつわぶんがく
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説話文学は教訓性を基本においた,集団による創話のため,個人的創作性の乏しいもの,といえよう。古代から中世にかけて説話文学は盛んであったが,それは同時に庶民の教育の役割と仏教の布教という二つの面を担っていた。近世になり,庶民教育が寺小屋をはじめ,塾などで普及し,檀徒制のもとで寺院と庶民が結びつけられたことと,説話文学の衰退は無縁ではない。説話文学は個人による創作ではないために,個人的思想や一貫した独創的な面に欠ける代わりに,多角的内容と幅の広い思想性を特徴としてもつ。代表的作品に,平安初期に僧景戒の『日本霊異記』や義昭の『日本感霊録』,末期に『今昔物語集』や『宇治拾遺物語』,中世に入ると,源顕兼の『古事談』や橘成季の『古今著聞集』などが編まれたのをはじめ,多くの説話集が編まれた。〔参考文献〕西尾光一『中世説話文学論』1963,塙書房
益田勝実『説話文学と絵巻』1972,三一書房