●青蓮崗文化 せいれんこうぶんか
アジア 中華人民共和国 AD
中国の江蘇省淮安県青蓮崗遺跡を標準とする新石器時代の文化。山東省南部から江蘇省全域,浙江省北部にかけて分布し,この地域に分布する竜山文化・良渚文化・湖熟文化よりも古いことが確認された。江蘇省の北部,ヒ※注1※県劉林・大トン※注2※子などの遺跡では,石斧・片刃石斧・石鑿・石鏃・鹿角製鎌や,精巧美麗な彩陶,素朴な家屋模型の土器などが発見された。中部の青蓮崗遺跡では,石器に有孔石斧などがあり,釜・豆・カ※注3※のほか,内壁に彩文を描いた鉢がある。また,大量の紅陶が出土した。揚子江流域の諸遺跡からは,大量の各種の玉器が出土しており,玉器の製作と装飾品への移行がこの地域で始まった可能性を示している。太湖東辺の江蘇省呉県草鞋(あい)山遺跡下層からは,野生の葛の繊維で織られた織物の残片が発見され,現在のところ中国最古の織物とみなされる。山形斜文と菱(ひし)形斜文が織られており,かなりすすんだ技術を身につけ,原始的織機が発明されていたようである。大トン※注2※子遺跡下層出土の炭化粟と,草鞋山遺跡下層出土の炭化粳(うるち)は,青蓮崗文化の北部では粟作農耕が,南部では稲作農耕が,当時すでに行われていたことを示すものである。青蓮崗文化については,その性質・類型・発展序列などが最近重要な研究課題となり,種々の意見が出されている。江北と江南の二つの類型に区分する説に対して,この2類型には共通点が少ないから,2類型をそれぞれ大ブン※注4※口文化と馬家浜文化として,青蓮崗文化の名称は用いないという説がある。また,東南沿海地方から揚子江下流をへて北上し,黄河下流にいたる広大な地域に分布する原始文化を,広義の青蓮崗文化と見なし,この原始文化圏が淮水流域にのびて,仰詔文化圏と相互に接触するところに生まれたのが,大ブン※注4※口文化であるという説もある。〔参考文献〕文物編集委員会編『中国考古学三十年』1981,平凡社
貝塚茂樹『中国古代再発見』1979,岩波書店
![]()