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●西洋紀聞 せいようきぶん

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 三巻,新井白石の著書。1715年(正徳5)以前に成立。1708年(宝永5)大隅屋久島に潜入し捕えられたカトリック宣教師のイタリア人シドッチが江戸へ送られた。白石は自らキリシタン屋敷へ赴き,4回にわたって吟味した結果をもとに記述したもの。上巻はシドッチ糾問に関するもの,中巻は世界地理,下巻は天主教に関している。中巻は『采覧異言』(1713年成立)の基になったものと推定されるので,本書はそれ以前に成立していたといえる。鎖国下のため公にされず,秘かに写本によって伝えられたが,1807年(文化4)以来は広く流布されるようになり,鎖国下における世界認識に大いに役立った。キリスト教については荒唐無稽として斥けているが,シドッチの人格や知識については評価し,ヨーロッパその他の地誌的な叙述は洋学の先駆的研究としての価値が高い。