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●西洋の没落 せいようのぼつらく

ヨーロッパ ドイツ連邦共和国 AD 

 1918〜22 ドイツの思想家シュペングラーの著。第一次世界大戦直後刊行され,当時話題の書。この本は古代ギリシア・ローマから近代ヨーロッパにいたる伝統的な直線的世界史を否定して,エジプト・バビロニア・インド・中国・古代(ギリシア・ローマ)・アラビア・メキシコ・西洋というそれぞれ孤立した八つの文化を並列する文化形態学で,それらの文化が有機体として,生物が発生・成長・老衰・死滅の過程をたどるように,生成期から隆盛期をへて没落するといい,その生滅のサイクルを示すのが歴史だといった。この文化形態学は文化の観相学ともいわれ,独断も多いが,20世紀に西洋文化が没落するという予言は第一次世界大戦後のヨーロッパの不安な世相に衝撃を与えた。しかしこの歴史観がヨーロッパを見直させ,直線的な世界史が唯一の世界史ではないことを示唆して(トインビーらの)新しい歴史の見方に道を開いた意味は大きい。