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●生の哲学 せいのてつがく

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 近代にいたる「哲学」がおおむね人間の本質を理性や知性に限定してきたことに対して,知的理性のみならず,感情や情緒,意志や衝動などをも,人間存在を構成する重要な要素とみなし,これら知情意の複合された全体的人間を取りあげて人間や文化の考察を行おうとする,19世紀後半以降に生じた哲学上の立場。ニーチェディルタイ・ジンメル・ベルクソンなどがその代表者。知情意の全体を生と呼び,知る人間から生きる人間へと「哲学」の対象を変更した「生の哲学」は,従来の「哲学」のような自然的世界の認識にとどまらず,歴史的・文化的・社会的な世界の認識の方法論をも検討する道を開いた。とくにディルタイは生の体験の表出たる精神文化を了解する「解釈学」を主唱し,現代のハイデガーやガダマーらの「解釈学」の「哲学」の先駆となった。また「生の哲学」は人間のなかに知的な合理性に解消できない非合理面を認めた点で,「実存哲学」に与えた影響も大きい。