●青年文化 せいねんぶんか
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青年の共通かつ特有の価値観や意識にもとづき発現する言語・行動・風俗などの型をいう。その概念は,1942年(昭和17)米国の社会学者タルコット=パーソンズにより,最初に使われたとされている。以来,学者によって種々の意味に用いられており,定説をみるにいたっていない。青年文化には二つの側面があり,一つは,青年が自己を確立して成人期に円滑に移行していくための過渡的・準備的な段階としての側面であり,もう一つは,成人社会に対する反抗や不服従,成人社会からの逃避・逸脱という側面である。青年文化を論ずる場合,たとえば青年仲間しか通用しないことば(隠語),奇抜な髪型や服装,青年向けの雑誌・情報誌など,ともすれば際立った現象を示す後者(対抗文化)の側面のみを強調する傾向があるが(以下,「狭義の青年文化」という),前者(下位文化)の側面を看過することは適切でないと考える。青年文化の形成要因としては,青年の心理的要因と社会的要因が考えられる。前者の要因として,青年の内心の苦悩に求めるものと先行世代の文化の継承に求めるものとがある。また社会的要因としては,価値観の多様性を促す急激・多様な社会の変化や都市化・情報化の進展,文化を享受しうる基盤としての生活水準の向上,高等教育への進学率の上昇などがあげられる。さらに,わが国の場合,これらに加えて外国の文化の影響という要因も見逃すことができない。このような社会的・心理的条件のもとに形成される青年文化,とくに狭義の青年文化は,成人文化とは対照的・非連続的なものとして,独自の文化を形成している。しかし,青年文化と成人文化とはたがいに断絶したまま推移するわけではなく,とくに狭義の青年文化は,たとえば,長髪やGパンなどの成人への普及にみられるように,成人文化に影響を及ぼすことがある。
わが国の青年は新しい文化を積極的に吸収し,それへの適応が早いこと,青年文化にはファッション性が強いこと,商業主義が青年層をターゲットにした商品の生産と供給に力を入れていることなどの要因が相互に作用し合っているため,わが国の青年文化は,発生と消滅を比較的短期間に繰り返す流動性の大きい点に特色がある。この意味において,青年文化を時代や社会の反映または先駆けとして位置づけることができる。今日,社会の急激な変化や,文化のめざましい発展のもとにおいて,刻々と変化する青年文化については,その実態の把握,成人文化への影響力の機能分析など,解明すべき課題は多いといえよう。