●青年の価値観 せいねんのかちかん
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青年期はいまだ“無垢な精神”の時期の延長上にあり,相対的に理想主義的な傾向を特徴とする。その価値観は単純で一面的であるが,とくに本音と建前の背離を嫌悪し,率直・誠実を尊ぶことが多い。価値観の形成と人生経験の相関性からもわかるように,青年期は概して価値の両面性に無自覚であり,その結果現実的条件との対応のなかでその価値観も動揺する。同一対象に善悪両面をみることは,緊張した精神と広い視野を要求する。青年期はまた自我の独立の時期である。それは,習俗・習慣に根ざす伝統的な既成の価値観への反抗・反駁として現れる。しかし経験の浅い彼は,具体的実質的価値観の確立には未熟である。こうして彼の価値観は抽象的であり,現実には特定の価値を体現した人物や事物を媒介とした間接的な価値追求が一般的である。価値意識が未分化な段階では,尊敬する対象のうちのどの価値を評価しているのか,自身でもわからないことも多い。