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●政談 せいだん

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 書名。4巻より成る。享保年間に,将軍吉宗の諮問に応じ,荻生徂徠により献策された政治改革の意見書である。治安の維持・困窮武士の救済・役職の合理化と人材の登用そのほかについて,広範に論じられている。その論は,政治の大綱は万民を土着させ,そのうえに礼法の制度を立てることにある,という理念にもとづき,以下の内容を骨子とする。[1]戸籍により人の身元把握を徹底,都市からの人返しにより農村の荒廃を抑える。[2]武士を知行地に土着・自給自足化せしめ,都市での消費生活からくる困窮を救い,併せて農村の治安維持を図る。[3]大名の物資調達もまた消費に依らず,領民の貢納に依る。[4]制度により万民おのおのの分限を明らかにし,分に過ぎた贅沢を抑える。以上は,貨幣経済の進展という現実に,抑制的に対処したものであるが,他方本書には,貨幣流通のあり方に積極的に対処した意見も含まれ,転換期の経世論であることをうかがわせる。

〔参考文献〕『日本思想大糸36・荻生徂徠』(岩波)所収