●生存権 せいぞんけん
ヨーロッパ ドイツ連邦共和国 AD
第一次世界大戦後のドイツのワイマール憲法(1919)は,各人に対して,人たるに値する生活を保障するという考え方を提起したが,この人間に値する生活の保障を要求する権利のことを生存権という。以来この生存権は18世紀的な自由権的基本権に対して,20世紀的な生存権的基本権として発展するようになった。日本国憲法においても,第25条が,〈すべて国民は,健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する〉と定め,さらに,国は,すべての生活部面について,社会福祉・社会保障および公衆衛生の向上および増進に努めなければならない〉と規定している。まさに生存権についての条項であって,日本国憲法が20世紀の憲法としての性格をもっていることを示すものであるといえる。この条文は,綱領規定(プログラム)ともいわれてきたが,この条文の存在,そしてこの考え方を実現しようとする努力が,福祉国家の推進に貢献しているということができる。