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●西廂記 せいそうき

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 中国,元代の戯曲の名。この作品は,唐の元?の伝奇小説鶯々伝(会真記)』にもとづいているが,直接にはこれを劇的に変改した金の董解元の『西廂記諸宮調』を粉本として,王実甫が雑劇に仕立てあげたものである。全篇5本20折の長編で,普通の元の雑劇の5篇分の体裁をもったもので,第1本は張君瑞閙道場雑劇,第2本崔鶯々夜聴琴雑劇・第3本張君瑞害相思雑劇・第4本草橋店夢鶯々雑劇・第5本張君瑞慶団欒雑劇から成り,第1〜4本が王実甫の作で,第5本は関漢卿の続作である。内容は,山西省の一名寺を舞台に展開された遊学の書生張君瑞と宰相の遺児鶯々とが,団円に結ばれる話であるが,途中波瀾が次々に生まれて,観衆ないし読者の興味を最後までかきたて,またその歌詞は劇情に応じて雅俗の体を巧みに接配して生動し,元曲の一つのピークを示す代表作品であり,明清時代にあっても,南戯や他の民間演芸のジャンルにも改編されて,封建礼教下にある子女の紅涙をしぼった。注解書は,王驥徳の『新校注古本西廂記』・清の毛奇齢の『毛西河論定西廂記』,批評したものは清の金聖歎の『第六才子書西廂記』が有名である。

〔参考文献〕塩谷温訳『歌訳西廂記』1958,養徳社

田中謙二『西廂記板本の研究』ビブリア1,1949,

伝田章『明刊元雑劇西廂記目録』,東京大学東洋文化研究所東洋学文献センター叢刊2,1970

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